スマートフォンでのQRコード決済を手がけるベンチャー企業のOrigami(オリガミ)は20日、他の企業に決済システムを無償で提供すると発表した。QR決済にはLINEや楽天などIT大手が乗り出し、独自の経済圏を作ろうと模索している。オリガミはあえて裏方になることで、他社との差別化を図るねらいだ。
「提携Pay」と名付け、飲食店や小売店などのアプリに決済サービスを無償で提供する。飲食店側は自前で決済システムを構築する手間をかけずに、アプリに決済機能をつけることができる。オリガミは、今後は資本・業務提携した信金中央金庫のネットワークをいかして、地方の商店街などの開拓もめざす。
オリガミは他社に先駆けて2016年からQR決済に参入した。だが、近年は楽天やLINE、ヤフーなどIT大手が参加し、競争が激化している。IT大手はそれぞれ固有のアプリを持ち、これまでのポイントサービスなどと連携させることで、顧客を囲い込むことをめざしている。
オリガミの康井義貴社長は「我々は経済圏という囲い込み戦略ではない。パートナーが主で、我々が裏に回り、いろんなサービスを提供できるところに強みがある」と話す。(栗林史子)