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投資の世界も「女性活躍」へ 証券会社などセミナー続々

「女性向け」に特化した投資セミナーが花盛りだ。これまで投資の世界では男性が目立っていたが、低金利や年金不安などで、「お金を増やす」ことへの関心が男女問わず集まっていることが背景にある。女性の方が長期保有でしっかり稼ぐ傾向もあるようだ。


「結婚や子どもの教育費、住まいの購入。人生に必要な経費を把握した上で運用しましょう」


東京・兜町の東京証券取引所。7月上旬に開かれた女性向けセミナーでは、参加者がネット証券大手、松井証券の女性担当者の説明に熱心に聴き入っていた。


参加した会社員女性(27)は「将来に備えて投資をはじめたいけど、周りで投資をしている女性がいない」と感じ、この機会に参加したという。「心配をしているのは自分だけじゃないんだと思い、ほっとしました」と話した。


セミナーでは、少額投資非課税制度(つみたてNISA)や、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に関する説明のほか、証券各社がブースを構え、金融商品や投資アプリなどを紹介した。


このセミナーは、ネットで女性向けに投資に関する情報を紹介するサイト「金融ワカラナイ女子のためのコミュニティ きんゆう女子。」の運営会社などが開いた。


同社は東証の近くのカフェで毎週、お金をテーマにした会合を開いている。投資信託、家計簿アプリ、シェアリングエコノミーなど、扱うテーマはさまざまだ。代表の鈴木万梨子さんは、旅行会社やベンチャー企業を経て、16年に起業。「最初は自分も『金融ワカラナイ女子』だった。分からないからこそ、女性の声を代弁できると考えた」という。


「お金について考えることで、人生の『軸』を決める手助けができればいい」と、鈴木さん。セミナーに参加した女性の2割以上が新たに投資を始めているという。


ネット証券大手の楽天証券は新規顧客の開拓につなげようと、今年2月から女性向けのセミナーを開き始めた。6月のセミナーでは、アナリストが自らの経験を踏まえ、金融商品の選び方や投資配分の決め方などを指導した。


同社で口座を持つ人の7割が男性、女性は3割。ただ、つみたてNISAの口座を見ると、女性の割合は4割に上がる。「人生100年時代」と言われるなか、将来不安から投資を始める人が多いという。


楽天証券のアナリストの篠田尚子氏は「女性は男性より平均寿命が長く、人生の選択肢が多様で、お金の準備をしておく必要性を感じている人が多い。お得な制度が整い、もともと興味のあった女性が投資を始めている」と話す。


女性は比較的、一度決めたらじっくり投資する傾向があり、何度も売買して手数料がかかりがちな男性よりコストが低い傾向もあるという。篠田さんは「株価が下がったらすぐに売る傾向がある男性に比べ、女性は長期保有する傾向がある。長期の投資は、投資を成功させるために効果的」と話す。(新宅あゆみ)


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