変わる資産運用 投資は余裕資金で行うと聞きました。私は資産がないので投資はすべきではないのでしょうか。投資は資産家のものでしょうか。 ◇ 日本では、投資は資産家がすることで庶民には関係ないとか、お金がたまってから投資を始める、投資はギャンブル、コツコツ働けば投資は不要、といった意識が根強くあります。 では多くの人にとって資産運用の目的は何でしょう。それは老後に必要な資金を形成するためです。資産が少ない人が長期間かけて資産運用をし、老後の資産形成をするのです。 すでに一生使いきれない資金が手元にあるなら運用は不要です。資産運用は本来、資産の少ない人が老後の資産をつくり、リタイア後は資産寿命を延ばすために行うのです。 しかし現実は逆です。富裕な資産家が運用で資産を増やし、本来運用をすべき人がしていません。そのため格差は広がる一方というのが実情です。 日本では、お金は額に汗して稼ぐもので、不労所得は良くないという人も多いと思います。しかし海外に目を向けると、全く異なる価値観で運用に取り組んでいます。 前回紹介したように、米国では運用を始める際に「ゴールベースアプローチ」という手法を用いています。数十年後までの顧客の目標(ファイナンシャルゴール)から逆算して、現在すべき運用方法を実行するのです。 例えば、若い20代からリタイア時に金融資産1億円の資産形成を目標にして、給料の10%を天引きにして、投資信託の積み立て投資を始める、といった具合です。資金がたまってから投資を始めるのではなく、資産をためるために投資を始めます。計画的な行動なのです。 積み立てると言っても月々数万円ではないか、と思われるかもしれません。しかし長期の積み立て投資で複利運用を行うと意外なほど資産が増加します。 例えば、日本の中小型株式で運用する投資信託で2008年から17年末までの10年間、毎月5万円の積み立て投資をした結果、当初の600万円が3000万円に増えた商品もあります。 これはかなり運用に成功した例ですが、皆さんの中には、もっと長期の投資が可能な人や、積立額を増やせる人もいるでしょう。そうした人はさらに有利な資産運用が可能です。 米国人にとって資産運用はギャンブルではありません。相場変動を予測する短期売買や、仮想通貨のような一獲千金を夢見るような取引をファイナンシャルアドバイザーは顧客に勧めません。積み立て投資やポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)理論に基づいた分散投資を顧客に提案し、長期での資産形成を計画的に実行します。 日本では共働きの夫婦が増えています。自分以外の働き手がいるのは頼もしいことです。米国人は自分が働き、ためた資産にも働いてもらうという意味での共働きをしているのです。 投資は余裕資金で行うべきだという意見は正しいと思います。しかしそれは、資産がたまるまで運用はしないということではありません。自分のファイナンシャルゴールを設定し、計画的に余裕資金を運用していく必要があるのです。(ファイナンシャルスタンダード代表取締役 福田猛) |
資産運用=お金持ちがすること、は間違い
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
かんぽ問題、顧客への対応策「再報告を」 総務相が要求
バブル超え、国の税収60兆円で過去最高 消費税が支え
ビットポイント、流出は30億円相当 当初発表を修正
みずほFG、3連休ATM停止 システム移行で最終作業
かんぽ問題、「SNS厳禁」に局員憤り 内部告発を牽制
認知症の人の資産、10年後200兆円に 金融商品続々
三菱UFJ銀が有給インターン デジタル人材確保へ対策
旧契約後の病気で乗り換えできず かんぽで月1300件
かんぽ生命、不適切な販売 顧客不利な契約に乗り換え
日銀緩和は財政ファイナンスか 黒田総裁が漏らした本音
FRB、景気動向で利下げ転換を明示 金利は据え置き
「動かぬ日銀総裁」の胸の内は 欧米中銀は再び緩和路線
どうなる堂島のコメ先物取引 大規模農家ら継続要請
ロスジェネは「人手不足の穴埋め」 救済策に透ける打算
ゆうちょ銀、高齢者に投信を不適切販売 直営店の9割で
シャープ、経営再建完了へ 優先株を銀行から買い戻し
G20財務相会議声明「貿易リスクに更なる行動の用意」
仮想通貨は「暗号資産」に改称 法定通貨との誤認防ぐ
「暗号資産」改称で信頼回復は 不正流出続いた仮想通貨
スルガ銀、社長以外は全員交代 取締役5人退任へ
ゆうちょ銀、スルガ銀との提携解消 住宅ローン代理販売
日銀のETF保有28兆円 来年、日本株の最大株主に?
金融庁、野村証券に業務改善命令へ 東証の情報を漏洩
公的年金だけでは老後不安 国は「自助」求めるけれど…
GDP、見せかけの成長 増税・貿易摩擦…不安な先行き










