発売から60年目を迎えたスナック菓子「ベビースターラーメン」を手がけるおやつカンパニー久居工場(津市)の隣接地に来年7月、屋内型テーマパーク「おやつタウン」がオープンする。「食べて楽しむ」から、「体験して楽しむ」ベビースターへ――。ロングセラーのブランド力を生かし、「コト消費」の拡大に挑む。
伊勢自動車道の久居インターチェンジから車で約5分。テーマパークは、丘陵地にある久居工場の南側で計画されている。「20年くらい前からの夢でした」。創業2代目の松田好旦さん(70)が顔をほころばす。社長から会長に退いたのを機に、構想を加速させた。
自ら面接して採用した社員は、有名テーマパークのマネジメント経験者、元銀行員など多士済々だ。常務の嶋田亘克さん(43)はオリエンタルランドでディズニーシーの立ち上げに関わった。「地元に愛され、もう一度行きたいと思ってもらえるような仕掛けを考えている」と自信をのぞかせる。
タウンの目玉の一つが、自分だけのオリジナルベビースター作りを楽しめるコーナーだ。ベビースターは元々、即席麺の製造過程で出たかけらを、従業員が「もったいない」と塩やしょうゆなどで味付けして油で揚げて生まれた。その原点に立ち返れる体験をしてもらいたいという。作り方は薄味のベビースターを様々な調味液に浸し、オーブンで乾かすだけ。甘いものからおつまみまで、色々な味が作れる。嶋田さんは「一度試したら、癖になりますよ」。
ベビースターを食材に、プロが…