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近大、マグロの次はアナゴに挑戦 完全養殖へ模索続く

希少マグロの次はアナゴ――。全国で漁獲量が減っているアナゴを人工孵化(ふか)した卵から成魚に育てる「完全養殖」で増やそうと、クロマグロの完全養殖に世界で初めて成功した近畿大学水産研究所が、漁場のある自治体と研究を進めている。成功すれば、マグロに続く「快挙」となる。


富山県射水市(いみずし)にある同研究所の富山実験場。直径8メートルの水槽に沈められた筒の中に何匹もの研究用アナゴがいる。三つの水槽にいる計約7千匹は5月、大阪府泉南市から送られてきた。


エサの時間になると、水をはね上げ、配合飼料に食いつく。到着時は1匹約30グラムだったのが、約半年で150~250グラムまで成長した。別棟の水槽にも、兵庫県姫路市から送られた1匹1キロ近い極太のアナゴが、のっそりと泳いでいた。


「漁獲量が減り、研究用のアナゴを集めるのも大変」と実験場長の家戸(かと)敬太郎教授(50)は話す。


農林水産省の統計によると、食用として人気の高いマアナゴを含むアナゴ類の全国漁獲量は減り続けており、1995年に約1万3千トンだったのが2016年に3606トン。特に瀬戸内海区にある漁協の落ち込みが激しく、03年の3221トンが15年に1千トンを割って821トン、16年は758トンに。家戸教授によると、温暖化による海水温の上昇などが原因とみられる。



近大水産研究所は02年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。「近大マグロ」をブランド魚として定着させた。次に目をつけたのが、養殖技術が確立されていないアナゴ。和歌山県白浜町の白浜実験場で04年、孵化してまもないアナゴの仔魚(しぎょ)「ノレソレ」の養殖研究を始めた。


アナゴの生態は謎が多い。産卵場所さえ長く不明だった。日本の研究チームが調査し、「沖ノ鳥島の南方海域」と発表したのは、まだ6年前だ。卵を持ったアナゴを日本近海で見ることはほとんどないという。


手探りの研究は困難を極めた。…


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