山口県の周防大島(周防大島町)と同県柳井市を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突し、送水管が破断した事故で、22日夜から続いていた橋の通行止めが24日、一部解除された。橋は島と本土を結ぶ唯一の陸路。通勤や通学などのため、早朝から長い車列ができた。
橋の安全性を考え、当面は片側交互通行で、2トン以下の車やバイクに限られ、給水車やガソリンを運ぶタンクローリーなどは通れない。島内のほぼ全域約9千世帯で断水が続く。
午前6時ごろ、本土側では約30台の車が並んだ。先頭の大阪府豊中市の無職田村文男さん(77)は島出身で、島内の知人に飲み水を届けるため午前3時ごろから待ったという。「同級生が心配。早く届けてあげたい」と話した。
周防大島町の高校3年生佐野壮志さん(17)は、父親に車で本土側まで送迎してもらった。「普段なら自宅から30分で橋を渡れるけど、今朝は1時間半かかった。それでもフェリーで渡るよりはずっと楽」。これまで通学に利用していた路線バスはまだ通れない。「早くバスも通れるようになって、以前のように通学したい」と話した。
送水管の仮復旧時期について県は、今月中の予定が11月上旬までずれ込む見通しを明らかにした。(滝沢貴大、金子和史)