大阪府警富田林署で留置中だった樋田淳也被告(30)=加重逃走罪で起訴=が逃走した事件で、府警は26日、留置管理など署の業務指導が不十分だったとして、同署の山内寛署長(56)を減給10分の1(3カ月)とするなど計7人を懲戒処分とした。山内署長は更迭され、29日付で警務部付となる。
ほかに懲戒処分となったのは、いずれも富田林署員で、逃走当日の当直責任者や留置担当者ら。また同署副署長やほかの留置担当者ら計7人も内規に基づく本部長注意や警務部長注意などとした。処分は26日付。
府警本部の留置担当者については、事前に認識することが難しく、防止する手立てがなかったとして監督責任を問うのは見送った。
事件は8月12日夜に発生。樋田被告は同署の面会室で弁護士と接見後、アクリル板を押し破って逃走したとして起訴された。面会室の出入りを確認するブザーは電池が抜かれていたため、作動しなかった。
その後の調査で、留置中の容疑者から音がうるさいと苦情があったため、留置担当者が意図的に電池を抜いていたことが判明。また留置場では月に1度、設備の一斉点検が義務づけられているが、同署では実施せず、日常的な点検ですませていた。山内署長は点検義務を知らなかったという。府警はこうした留置管理のずさんさが今回の事態を招いたとしている。
広田耕一本部長は「多くの皆様にご不安とご心配をおかけしたことを、改めて深くおわびします。このような事態が二度と起こらないよう再発防止策を徹底します」とするコメントを発表した。