バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンに例えられる男性が、沖縄にいる。ずば抜けた跳躍力があるわけでも、素早く動けるわけでもない74歳の「おじい」だ。ただ、ある勝負では連戦連勝の負け知らず。どういうことなのか。
男性は10月下旬、沖縄本島中部、北谷(ちゃたん)町の公園にある野外コートにいた。宜野湾市の宮城(みやぎ)善光(ぜんこう)さん。身長163センチと小柄だ。そこへ小学生が集まってきた。「ジョーダン、対決しよ」。本当にジョーダンと呼ばれていた。
宮城さんはボールを突いたり体を回したりして準備運動すると、ゴールから遠ざかった。対決は、ゴールまで6メートル以上離れた所からの「スリーポイントシュート」に5本ずつ交互に挑み、先に10本決めた方が勝ちというものだ。
宮城さんは何度かボールを突くと、猫がジャンプするように前方へ跳び、両手でボールを高く押し出した。スパッ。スパッ。ボールが次々とネットに吸い込まれた。小学生たちが歓声を上げる。海沿いの強風をものともせず、この日は2投中1投は決めた。
宮城さんは「(取材で)緊張し…