奈良県葛城市の当麻(たいま)寺(でら)の西塔(さいとう、国宝)から、飛鳥時代後半の白鳳(はくほう)期のころとみられる金・銀・銅の舎利(しゃり)容器がみつかった。寺と県教育委員会、奈良国立博物館が14日発表した。国内で金・銀・銅の舎利容器がセットでみつかるのは珍しい。
当麻寺の創建は飛鳥時代後半とされるが、西塔は平安時代初めの建立とされてきた。舎利容器の調査結果は、西塔の建立が寺の創建時にまでさかのぼる可能性を示しており、寺院史にも影響しそうだ。
舎利容器は、釈迦の遺骨に見立てた宝物を納める容器。当麻寺は東西に木造の三重塔をそなえ、うち西塔は高さ約25メートル。2016年6月から修理が始まった。
昨年7月、西塔の最上部を飾る相輪(そうりん、装飾金具)を調査していたところ、塔の中心部を貫く心柱(しんばしら)の頂部から直径約12センチ、高さ約14センチの銅製の筒がみつかった。筒の中から、外側から金銅製(高さ約9センチ、直径約10センチ)、銀製(高さ約3センチ、直径約3センチ)、金製(高さ約1・2センチ、直径約1・4センチ)の順に舎利容器が入れ子状で確認された。金製容器にはガラス製とみられる舎利も納められていた。
奈良国立博物館によれば、金・…