紅葉の名所として知られる京都市の嵐山で、観光客のスマートフォンを通じて人出のデータを集め、時間ごとの混雑を予測してインターネットで知らせる国土交通省などの実験が10日から始まった。京都は訪日外国人客が増え、混雑緩和が大きな課題になっている。
国交省によると、実験にはスマホとWi―Fi(ワイファイ)を活用する。こうした混雑予測は全国初の試みだ。
予測結果は10日にオープンしたサイト「嵐山快適観光ナビ」(
https://arashiyama.fun
)で見られる。
渡月橋、竹林の小径(こみち)、松尾大社など嵐山の8エリアから場所と日付を選ぶと、午前7時~午後8時の1時間ごとの予測がグラフで示される。地図画面を選ぶと、8エリアの混雑予測が一目でわかる。混雑を踏まえたお勧めルートも示し、観光客の分散を狙う。
サイトで見られるのは、現在の混雑状況ではなく、1週間前までの同じ曜日の人出に基づく予測だ。
嵐山の13カ所にセンサーを設置し、Wi―Fiを作動させているスマホを察知して、9月からデータを蓄積してきた。10月には嵐山で1106人に訪問先や時間、観光客の多さを調査。これらに紅葉の見ごろ予想も組み合わせて予測する。
昨年11月に京都市を訪れた観光客は約493万人。京都市によると、嵐山では紅葉シーズンに観光客が急増し、渡月橋など特定のエリアに人が集中する。実験には、観光客に人出が少ない時間に訪れてもらったり、別のエリアを巡ってもらったりする狙いがある。
実験は国交省と京都市、京都市観光協会が12月17日まで続ける。京都市観光MICE推進室は「これまで知らなかった隠れたエリアも巡ってもらい、嵐山全体の活性化につなげたい」と考えている。実験の結果を見て、別の観光地で導入するかどうかを検討するという。(本多由佳)
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