米軍三沢基地(青森県三沢市)のF16戦闘機が今年2月、小川原湖(同県東北町)に燃料タンクを投棄した事故は、エンジンに耐久性の低い旧式の部品が取り付けられていたことが原因だったことがわかった。防衛省が米軍から情報提供を受け、20日に公表した。離陸中に部品が壊れ、エンジンが過熱・出火したという。
問題の部品は、エンジンのタービンのカバー。2010年に使用が中止されて取り外されたが、12年に同基地で修理した際に誤って旧式が発注され、取り付けられた。事故時のパイロットの行動は「緊急時の手順に従い、適切だった」とされた。米軍は調査結果を踏まえ、同基地所属機の予備を含む全てのエンジンを点検し、他のエンジンには正しい部品が取り付けられていると確認したという。
事故は2月20日に発生。離陸直後にエンジンから出火し、パイロットは上空から燃料タンクを小川原湖に捨てた。燃料の流出などがあった影響で、小川原湖漁協は1カ月間、全面禁漁とした。同漁協は9323万円の損害賠償を日米両国に求めており、国が内容の精査を進めつつ、米側と協議している。(古城博隆)