ジュースやガム、うどんなど新旧様々な自動販売機を展示する「わくわく自販機ミュージアム」(前橋市粕川町中之沢)が、12月27日に閉館する。2012年に開館し、マニア心をくすぐってきたが、規模が縮小する自販機業界の変化にのみ込まれた。
ミュージアムがあるのは赤城山のふもと。自販機や自動車部品の大手サンデングループの事業所が入る「サンデンフォレスト」の一角にある。
紀元前後のエジプトで考案され、世界で最初の自販機と伝わる「聖水自販機」のレプリカや昭和30年代に流行した「噴水型ジュース自販機」、そば・うどんの自販機など15台ほどが並ぶ。懐かしい昭和の自販機だけでなく、液晶画面を使った最新鋭の機種なども展示されている。
ミュージアムは自販機の歴史を紹介するとともに、省エネ技術や災害時の飲料提供などの社会貢献をPRする目的で設立された。所有する日本自動販売システム機械工業会(東京)によると、オープン前年の東日本大震災以降、24時間稼働する自販機が「電気の無駄遣い」と批判されたことも開館した一つの理由という。同会の恒川元三専務理事(66)は「環境に配慮した自販機も増え、社会インフラと認知されてきている」と話す。
しかし、国内の自販機の数は減少傾向にある。主力の飲料自販機の普及台数は17年末現在で約244万台で、前年から1・2%減った。ピークだった05年と比べると10%弱台数が減少している。コンビニの店舗数が増えるなど飲料を買う手段が多様化し、採算の取れない自販機の撤去が進んだ影響が大きいという。
飲料自販機の製造から撤退する…