東京地検特捜部に逮捕された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)の現状について、中東レバノンのバシル外務・移民相は27日、山口又宏・駐レバノン大使を外務省に呼び、懸念を表明した。
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レバノン外務省が27日夜に発表した声明によると、バシル氏は「ゴーン氏の逮捕に重大な関心を持っている。レバノンにとって重要な人物のひとりだ」と山口氏に伝えた。
バシル氏はさらに、ゴーン氏の逮捕について「大きな疑問を抱かせる情報を得ている。早急に捜査を終えてほしい。家族との面会を認めるなど、人権に配慮してほしい」と要請した。
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ゴーン前会長はレバノン国籍を保持している。同国でも関心は高く、メディアは連日のようにゴーン前会長のニュースを伝えている。主要紙アンナハル(電子版)は27日、「レバノンの法律家や人権活動家がゴーン氏の逮捕を疑問視している」と報じた。(カイロ=北川学)