男女6人の遺体が見つかった殺人事件を受け、宮崎県高千穂町は28日、事件現場近くの集落で12月1日に予定されていた夜神楽が中止になったと明らかにした。毎年恒例の国の重要無形民俗文化財「高千穂の夜神楽」(11月17日~2月9日)の18カ所のうちの1カ所で、同町押方の二上(ふたがみ)神社の夜神楽。残りの夜神楽は開かれる。
二上神社の宮司によると、27日夜に神社の氏神を信仰する氏子の臨時総代会があり、来月1日に三原尾野公民館で予定していた夜神楽の自粛を決めた。事件現場が神社の氏子が暮らす集落にあるため、開催するかどうか協議したという。
宮司の男性は「村の雰囲気が落ち込んでいる中で祭りを開催するのは厳しい。苦渋の選択だった」と話した。
夜神楽は氏神様の祭り。集落の神社の氏神様を里の家(神楽宿)に招き、収穫への感謝や豊作祈願を込めて33番の神楽を舞う。今でも夕方から翌日午前まで夜通し舞う集落が多く、二上神社の神楽も徹夜で舞われるという。