大阪市西成区の准看護師岡田里香さん(当時29)の遺体が2014年、都内のトランクルームから見つかった事件で、強盗殺人罪などに問われた日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ被告(34)に対する裁判員裁判の初公判が22日、大阪地裁(上岡哲生裁判長)で始まった。被告側は起訴内容を認め、「犯行当時は精神疾患で心神耗弱状態だった」と述べた。
起訴状によると、オーイシ被告は14年3月22日、西成区の岡田さん宅で、岡田さんの胸や腹をナイフで何度も刺し、出血性ショックで殺害して現金6千円などを奪ったとされる。さらに岡田さん名義のクレジットカードで計約12万円分を不正使用したなどとされる。
検察側は冒頭陳述で、被告は当時在留資格が切れ、約260万円の借金があったと説明。同居していた中国人女性を追って中国に渡るため、小中学校時代の同級生だった岡田さんになりすましてパスポートを取得しようと殺害したと主張した。
弁護側は冒頭陳述で、被告は日系ブラジル人3世で日本での生活に苦労し、相談できる相手が中国人女性しかいなかったと説明。記憶が抜け落ちるなどの症状が出る「解離性同一性障害」で、行動を制御する能力が著しく落ちていた可能性があるとも主張した。事件の約3年後に大阪府警に逮捕された後の取り調べで、強盗殺人について供述した調書の信用性も争うという。
公判は3月7日まで計7回の期日で被告人質問や証人尋問などを行い、判決は3月14日の予定。
岡田さんの遺体は14年5月、…