ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された「来訪神 仮面・仮装の神々」の関係者が30日、東京都内で記者会見を開き、喜びとともに継承への課題を語った。 「吉浜のスネカ」の地元の戸田公明・岩手県大船渡市長は、自身も子どもの頃に体験したことがあると明かし、「厳しい気候や交通も不便なところ。きっと昔の方々はたくましい子どもを育てようと思ったのだろう」と思いをはせた。継承への課題を挙げる声も相次いだ。「能登のアマメハギ」の地元の梶文秋・石川県輪島市長は「子どもさんがいないので、訪ねていく家が少なくなってきた」、「米川の水かぶり」について熊谷盛広・宮城県登米市長は「ある地区の男性がするもので、後継者が不足している」と現状を説明。アマハゲが訪れる「遊佐の小正月行事」については時田博機・山形県遊佐町長が「少子高齢化の中、町をあげて保存していかなければ」と語った。 「男鹿のナマハゲ」(秋田県)は2011年にも無形文化遺産への登録に挑戦したが、すでに登録されていた「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島県)との類似を理由にかなわなかった。そこで「来訪神」としてまとめての登録を目指し、関連自治体で14年に来訪神行事保存・振興全国協議会を設立した。会長を務める菅原広二・秋田県男鹿市長は「来訪神行事のなかにはいろんな文化がある。このネットワークでお互いにいいところをつないでいきたい」と力を込めた。 会場には、ナマハゲやアマメハギ、米川の水かぶりの「神々」も登場。「うおー」っと声を上げて集まった報道陣を脅した後、一緒に記念撮影におさまった。(上田真由美) |
ナマハゲやアマメハギが結集、喜びの会見 無形文化遺産
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