立山黒部アルペンルートの扇沢駅(長野県大町市)―黒部ダム駅(富山県立山町)で運行されているトロリーバス(愛称・トロバス)が30日、今季の営業終了とともに、最後の運行を終えた。老朽化などが理由。開業から54年続く無事故記録は、来年から電気バスに引き継がれる。
ラストランの式典は黒部ダム駅であり、関西電力の村田直樹・黒四管理事務所長は「先輩から引き継いだ無事故運転を全うできることはほっとしている」とあいさつした。
最終日はファンらでにぎわい、扇沢行きの最終のトロバスには、約300人が乗車した。東京都大田区の会社員中矢真道さん(45)は「自分の目でしっかり見届けようと思います」と話した。扇沢駅近くの斜面にはファンらが集まり、トンネルから出入りするトロバスを撮影していた。
トロリーバスは1964年8月の開業から延べ6162万人が利用、無事故記録を更新した。来年からは車載のバッテリーを電源に、天井に装着したパンタグラフを通じて充電する電気バスに切り替わる。
ラストランを担当した運転士の…