富山市の住宅に銃弾のようなものが撃ち込まれた事件で、付近の住民が事件前後にバイクの走る音と発砲とみられる音を聞いていたことがわかった。富山県警は発砲した人物がバイクを使って現場を訪れ、そのままバイクで逃走した可能性があるとみて調べている。
県警は4日、富山北署に捜査本部を設置し、殺人未遂と銃刀法違反容疑を視野に捜査している。
被害のあった住宅近くに住む男性によると、事件があった3日午後11時前、バイクの走る音やエンジンをふかす音がした。その後、パン、パンという音が続けざまに2回聞こえ、バイクが走り去る音を聞いたという。
県警によると、被害宅から110番通報があったのは同午後10時50分ごろ。2階建て住宅の1階のリビングの窓ガラスが割れ、床から2発の弾丸のようなものが見つかった。捜査関係者によると、さらにこの住宅の外壁に弾痕とみられる穴も確認したという。
当時、この住宅で暮らす夫婦と娘の3人は家におり、妻がリビングにいたが、けが人はいなかった。親族によると、夫婦らは「なぜこうなったかわからない」と話しているといい、県警はこの住宅が狙われた経緯についても調べている。
「まさか」 不安の住民
「パン、パン」
現場となった住宅から約50メートルのところに住む女性は3日夜、連続した破裂音を聞いた。「銃声か」とも思ったが、確信はなかった。4日朝になって、親類からの電話で事件があったと知る。「まさかこんなところで……。不安です」
現場は戸建て住宅が密集。付近の住民によると、夜になると、人通りはほとんどないという。だが事件後、現場の住宅の周囲には富山県警の規制線が張られ、警察官が警戒。パトカーも巡回し、物々しい雰囲気に包まれていた。
犯人は銃を持ったまま逃走しているとみられている。現場から約1キロ南東にある最寄りの富山市立豊田小学校は、4日午前0時ごろに県警から連絡を受けた。校長が富山北署に出向いて対応を協議。こうした事態を受け、富山市教委は同日午前3時過ぎに豊田小学校を含めた市立小中学校91校の臨時休校を決めた。豊田小学校は未明に保護者らにメールや電話で連絡。松森毅教頭は取材に「近くでこんなことが起きて衝撃を受けている。早く犯人がつかまってほしい」と話した。