十文字学園女子大(埼玉県新座市菅沢2丁目)の食物栄養学科の学生らが9日、地元野菜たっぷりの弁当と北海道産サケの石狩鍋などを販売し、地震被害にあった北海道を復興支援するイベント「からだにべジプラスプロジェクト」を開く。収益は復興支援金として寄付する。
プロジェクトは同大とJAあさか野主催。同学科の金高(きんたか)有里講師(37)ゼミの3年生11人が参加している。
ゼミで地域食材を使った商品開発のプロジェクトに取り組んでいた9月、北海道で地震が起こった。金高講師は前任地が北海道の酪農学園大(江別市)で、教え子たちも被災。家具などが壊れた部屋、液状化で陥没した道路といった画像が金高講師に送られてきた。
3年生11人は、ゼミの先輩らが昨年度に熊本地震からの復興を支援する「くまプラスウィーツプロジェクト」に取り組んだ様子を見てきた。北海道の惨状に「自分たちも力になろう」と、今年のプロジェクトに北海道らしさを盛り込むことに決めた。
考案したのが「新座野菜deけっぱれ(がんばれ)弁当」。多くの食材を盛りこめるよう、9マスに分かれた容器を使用。ホウレン草のごまあえ、里芋の肉あんかけ、こんにゃく炒(い)り煮、にんじん卵焼き、タマネギやシメジのチャンチャン焼きなどに新座産野菜を用いた。
ご飯は北海道産金時豆の甘納豆お赤飯、川越市のNPO「かわごえ里山イニシアチブ」会員らが栽培した無農薬米とマコモタケの炊き込みご飯の2種。「復興支援のために」と低価格で提供してくれたもので、マコモタケはイネ科の野菜で食物繊維やカリウムが豊富。弁当は655キロカロリーで、赤血球を作る葉酸が212マイクログラムも含まれるという健康志向の弁当だ。同ゼミ3年の柿崎優花さん(21)は「新座の食材を生かしつつ、北海道らしさも盛りこんだ。被災された方々の復興に少しでも役立てたら」と話す。
9日のイベントは午前10時~午後2時、新座市野火止6丁目の野火止ふるさと広場で開かれる。けっぱれ弁当や石狩鍋のほか、地元食材のスイーツも販売する。弁当は義援金込みで1個700円。予約で100個、当日は20個販売する。問い合わせは、同女子大学(048・477・0555)の金高研究室。(大脇和明)