韓国と北朝鮮は5日、ソウルから平壌を経て中朝国境を結ぶ京義線の開城(ケソン)―新義州(シニジュ)間(約400キロ)の現状調査を終えた。結果の概要を発表した韓国統一省によると、施設の老朽化や電力不足で運行が困難な状況にあるとみられるという。
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同省によると、列車の運行速度は時速20~60キロ程度。国際列車が走る平壌以北に比べ、平壌より南の区間は列車の速度が落ちる傾向があるという。同省が公開した開城市の北方、黄海北道(ファンヘブクト)のカリョン・トンネル付近の写真には、枕木の一部が破損している様子が写っていた。
脱北者などによると、北朝鮮はレールなどを自前で生産できず、補修が十分にできる態勢にない。トンネルなどは崩落の恐れもあり、速度を出せない。電化率が約80%と高いが、最近の電力難で逆にダイヤが乱れている。平壌から日本海側の中朝国境まで1週間近くかかるときもあるという。
韓国と北朝鮮は8日から17日にかけて、同国の東側を走る東海線の金剛山(クムガンサン)―豆満江(トマンガン)間(約800キロ)を調査する予定だ。(ソウル=牧野愛博)