会社の車を営業などで運転している人の4割強は、運転の前の日に酒を飲み過ぎた経験がある。アルコール検知器を手がける健康機器メーカーのタニタが、そんな調査結果を発表した。飲み過ぎても一晩寝れば運転しても大丈夫だ、と考える人も4割近くいた。
タニタは「正しい知識があれば、お酒が残る状態での運転は防げる。年末年始は飲む機会が増える時期なので注意してほしい」と呼びかけている。
航空会社のパイロットの飲み過ぎによるトラブルが相次いだ後の11月、会社の車を営業などで運転する20~69歳の615人に、飲酒の状況などをネットで尋ねた。
タニタによると、体重65キロの人が酒2合を飲んだ場合、アルコールが体から抜けるには6~7時間ほどかかる。しかし、そうしたことを知らない人は40%に上った。
「酒が抜けきっていないと思いながら運転することがある」と答えた人も27%いた。
飲み過ぎるのはどんな時か、も尋ねた。会社の忘年会や新年会が55%と最も多く、友人や知人との飲み会が49%、会社の歓送迎会が41%と続いた。この回答は一つに限らず挙げてもらった。
勤め先の従業員が飲酒運転で事故を起こし会社に損害が出たことがある、と答えた人は12%いた。飲酒運転の職場での防止策を尋ねたところ、41%が「特になし」と答えた。
バスなどの運輸業にあたる人は、乗務前にアルコール検知器を使った呼気検査を義務づけられている。一方で、一般企業の社有車を運転する人は義務付けの対象にはなっていない。(田中美保)