神奈川県の東名高速で昨年6月、一家4人が乗るワゴン車を「あおり運転」で停車させ、大型トラックによる追突事故で夫婦を死なせたなどとして、危険運転致死傷罪などに問われた石橋和歩被告(26)の裁判員裁判の判決が14日、横浜地裁で言い渡される。運転する行為に適用する同罪が車の停止後の事故にも適用されるかが焦点だ。同罪の成り立ちや課題は――。
父にすごむ男、「やめて下さい」叫ぶ母 東名あおり事故
あおり事故、過去に10回以上トラブル 同乗の女性証言
交通事故の刑事責任はかつて、不注意が原因の「過失犯」として、主に業務上過失致死傷罪(最高刑懲役5年)が適用されてきた。1999年に東京都内の東名高速で一家4人が乗った車に飲酒運転のトラックが追突し、幼い姉妹2人が死亡した事故をきっかけに、危険運転致死傷罪が2001年、刑法に新設された。最高刑は懲役15年で、05年に20年に引き上げられた。
栃木県鹿沼市で11年にクレーン車の運転手がてんかん発作を起こし、児童の列に突っ込み6人が死亡。京都府亀岡市で12年、無免許運転の少年の軽乗用車が小学生らの列に突っ込み3人が死亡した。いずれも危険運転致死傷罪の適用が見送られた。こうした事故が相次ぎ、罰則の見直しを求める意見が強くなった。
14年に施行された自動車運転…