死刑確定後に、別の2件の殺人事件を手紙で告白し、殺人罪に問われた元住吉会系暴力団組長・矢野治被告(69)に対し、東京地裁(楡井英夫裁判長)は13日、無罪(求刑・無期懲役)を言い渡した。「告白の主な目的は死刑執行の先延ばしだった」と指摘し、内容は虚偽だった可能性があると判断した。
死刑囚、別の殺人告白し法廷で無罪主張 検察「延命だ」
矢野被告は暴力団関係者3人と1996年、神奈川県伊勢原市で不動産業津川静夫さん(当時60)を殺害▽98年に東京都豊島区のマンションで、不動産会社社長・斎藤衛さん(当時49)を監禁して殺害した、として起訴された。被告は前橋市のスナックで4人が射殺された事件などに関わったとして、2014年に死刑が確定している。