技能実習や留学のため日本へ行く人が急増しているベトナムで、日本語教師を増やすための育成講座がハノイで始まった。一定の日本語能力があるベトナム人20人が参加し、日本語を人に教えるための基礎技術を身につける。
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現地大学と講座を共催する国際交流基金によると、ベトナムで日本語能力試験を受験した人は2017年に7万1242人と世界3位。東南アジアでは最も多い。日本へ向かう技能実習生は13万4千人、留学生は8万人に達し、渡航に向けた日本語学習のニーズは高まっている。一方、きちんと指導法を学んだ教師が足りないことが課題だった。
昨年6月、安倍晋三首相がアジア3カ国で日本語教師育成を強化すると表明。ベトナムとインド、ミャンマーで取り組みが始まった。ハノイでは約4カ月、計200時間かけて基礎を教える。
ハノイ大で日本語を教えているグエン・ホン・アインさん(28)は「学生にもっと興味をもってもらえる指導方法を身につけたい」と参加を決めた。トゥ・ティ・ゴク・アインさん(28)は技能実習生として徳島の缶詰工場で3年間働き、帰国後は留学を控えた人に日本語を教えている。「日本で暮らすためのルールも伝えられる先生になりたい」と話した。(ハノイ=鈴木暁子)