韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領時代に情報機関・国家情報院(国情院)が大統領府に秘密資金を上納した事件で、ソウル高裁は11日、歴代の院長3人に横領などの罪で実刑判決を言い渡した。朴政権で駐日大使や大統領秘書室長も歴任した李丙琪被告(71)と李炳浩被告(78)には懲役2年6カ月、南在俊被告(74)は懲役2年。起訴内容の一部を無罪とするなど、一審判決よりそれぞれ1年減刑した。
朴槿恵被告(66)は、サムスングループから巨額の賄賂を受け取った収賄などの罪で8月、ソウル高裁で懲役25年、罰金200億ウォン(約20億円)を言い渡され、上告審が続く。上納金事件でも、ソウル中央地裁は7月、朴被告に対し、歴代の院長3人から秘密資金約33億ウォンを受け取ったとして国庫損失罪などで懲役6年、追徴金33億ウォンの実刑判決を言い渡している。(ソウル=武田肇)