海からの強い風が吹き込む東京都江戸川区の荒川河川敷。河口から約3キロ上流の地点に11月下旬に足を運ぶと、コンクリート護岸を赤色や黄色、緑色など色とりどりのマイクロプラスチックが覆い尽くしていた。
まるで「モザイク画」のようだ。周辺に散らばっている破片をよく見ると「素性」が分かった。赤いのはストロー、黄色は歯ブラシ、緑色は人工芝だった。
消波ブロックとヨシ原の間には、上流から流れてきたとみられるペットボトルなど大量のプラスチックごみがたまっている。2週間前、NPO法人「荒川クリーンエイド・フォーラム」などのボランティアによる清掃があったばかりだが、全長173キロ、流域内人口980万人の川は、新しいプラスチックごみを次々と運んでくる。
九州大の磯辺篤彦教授らの研究によると、日本近海のマイクロプラスチックの平均の密度は1立方メートルあたり3・74個。世界平均の約27倍だといい、「ホットスポット」だ。中国や韓国などアジア諸国から出たプラスチックごみが海流で運ばれてくる間に劣化して細かく砕け、流れ着いていると考えられていた。
だが、東京理科大の二瓶泰雄教…