第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)で決まった地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」運用ルールは、先進国と途上国が共通ルールのもとで、実施する道筋を確実にした。一方で、温室効果ガスの排出量が大幅削減に向かわなければ、地球温暖化の被害を防ぐことはできない。各国が削減目標を高めて対策を強化することを促す明確な合意には至らなかった。
パリ協定の運用ルール採択 すべての国が温暖化対策へ
世界まとめた「温暖化の脅威」 パリ協定、採択の裏側
「歴史的な成果だ。みんなで記念撮影しましょう」
COP24の全体会合で、パリ協定の運用ルールが採択されると、議長を務めたポーランドのミハウ・クリティカ環境副大臣はこう呼びかけた。
会期中、時には激しく対立した先進国と途上国の代表団が共に壇上に上がり、歓声と拍手で歓迎した。会場はお祭り騒ぎになった。
時刻は15日午後10時(日本時間16日午前6時)。閉幕予定だった14日夕から、1日以上が過ぎていた。
温暖化対策の交渉の場面では、しばしば、先進国と途上国の主張がぶつかり合う。今回の運用ルールの交渉では、先進国と途上国とで課される義務の差をできる限り無くし、共通のルールにできるかどうかが焦点だったが、当初は対立が顕著だった。
途上国の大半が先進国とは異な…