宇都宮市の大谷資料館で今月から、結婚式などで使われる「教会ゾーン」が特別公開されている。地下採石場跡が式場として使われ始めて25年。これまでに200組以上の門出の舞台になってきた。
「教会ゾーン」の特別公開は今年で5回目。今年のテーマは「森の教会」で、こんもりとしたコケや落ち葉がライトアップされて柔らかい雰囲気となっている。実際の式でも、利用客が好みのレイアウトに変更することができ、「他人と違いを出したい」というこだわり派からも人気を集めているという。
結婚式場として本格的に利用が始まったのは1993年。「ここで挙式したい」という人がおり、試験的に使用したところ好評だったのがきっかけだ。ただ、当初は県内でも知名度が低く、式場として使われるのは年に1、2回程度だった。
2014年、宇都宮市フィルムコミッションでの勤務経験もある鈴木洋夫さん(65)が館長に就任。メディアを通じて資料館や結婚式利用の宣伝を始め、人気に火がついた。県外からの申し込みが急増し、現在は年間で約20組が挙式をするようになったという。
最大の売りは、薄暗い式場に地上から光が差し込む幻想的な光景。キャンドルで足元を照らすと、上から下りてくる光と相まって、他にはない雰囲気を作れると評判だ。音楽も地下空間に響き、非日常の空間を楽しめる。結婚式利用での最低予算は40万円程度。鈴木館長は「幻想的な空間をうまく使って、記憶に残る唯一無二の式を挙げてほしい」と話す。
特別公開は1月31日まで。式場として使えるのは、観光客の少ない土曜日の午前のみ。6~10月は来館者が多いため、主に冬期間に受け付けている。問い合わせはブライダル会社「RISE」(028・348・3003)へ。(若井琢水)