【連載】この国と原子力③
原子力村は「伏魔殿」 政産官学労の隅々まで巣くった
9電力は「現代の幕藩体制」 壊そうとした官僚がいた
東電 「資本主義を曲げてまで潰さなかった」わけは?
元首相「神の御加護」
「破滅を免れることができたのは、幸運な偶然が重なった……神の御加護があったのだ」
2011年の原発事故時の首相・菅直人(72)の信仰者のような記述が頭の中に残っていた。12年に出版された「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」(幻冬舎新書)にあった。
事故から時を経たが、菅に16年4月、インタビューした。記事は当時、朝日新聞のデジタル版にのみ載ったので、ここに要点を記したい。
菅はこう振り返った。「福島に…