英国のロックバンド「クイーン」のファンの集まるバーが福岡にある。ボーカルのフレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が世界的に大ヒット。再び注目を浴びるなか、伝説のグループを愛する店主と客たちが夜な夜な熱く語り合う。
扉を開けると、クイーンのライブ映像が目に飛び込む。二つのテレビ画面には、ギターのブライアン・メイが映し出されている。
「これは2005年の埼玉公演でね、あのドラムのロジャー・テイラーが前へ出てマイクを持って歌っている貴重なシーンですよ」
熱弁を振るうのは、福岡市中央区大名にあるバー「NOWHERE」のオーナー戸高祐輔さん(42)だ。もちろん戸高さんはこの会場でライブを見た。「ロジャーの歌がまたうまいんだ」
壁には、ロジャーがかつて使っていたというスティックが飾られている。「TO YUSUKE」と書かれたブライアンの直筆サインもあり、なぜかこの名ギタリストの母親の写真まである。「尊敬する人を生んでくれた人だから」と真顔で説く戸高さんからは、並々ならぬクイーン愛がほとばしる。
客も負けてはいない。運が良け…