秋田県が発祥の地とされる「萌(も)え米(まい)」。米袋に描かれた愛らしい少女のキャラクターは、登場から10年がたった。米離れが進む消費者の心と胃袋をつかみ、「ご当地萌え米」は各地で次々と誕生。ふるさとのPRにも一役買っている。
大きな瞳に赤らめたほっぺの少女が、おにぎりを手にちょこんと座る。「鹿角の萌えみのり」の米袋に描かれているのは、独自キャラ「みのりん」だ。横の「前略。秋田の大地で健やかに育ちました」との文字が、田園育ちの少女と米のイメージを膨らませる。
秋田県鹿角市の安保(あんぼ)金太郎商店が2009年に発売した。萌えみのりは、06年に東北農業研究センター(本所・盛岡市)が命名登録した品種。まいた種から一斉に芽が萌え出ることが名前の由来で、弾力ある食感が特徴だ。「味には自信がある。まずは手にとって」と、同商店の安保大輔社長(43)が品種名からひらめき、デザイナーにイラストを依頼した。
売り方も工夫した。食べ終わった後も使える筒型容器にみのりんのシールを貼り、秋葉原での物産展などに出した。人気声優がラジオ番組で紹介したこともあって人気に火が付いた。この声優を起用したみのりんの声付きのCMなどは、同商店のホームページで見られる。
みのりん付きの萌えみのりの取扱量は発売時の10倍。購入者の多くは首都圏や関西に住む男性だ。店の取扱量全体に占める割合は2%ほどだが、通販の売り上げは発売前の倍の600万円に増えた。安保社長は「商品のファンになってもらえるのが強み」と言う。
萌え米の元祖とされるのが、秋…