電機業界の労働組合でつくる電機連合(組合員約57万人)は11日、今春闘での統一要求として月3千円以上の賃金水準改善(ベースアップ)を掲げる方針を発表した。ベアの統一要求額を示さない戦略に転じた自動車総連とは対照的に、横並びの賃上げにこだわる姿勢をみせた。ただ、企業の賃金制度が多様化する中、統一要求がすでに形骸化しているとの指摘も根強い。
「ベア軸足」から脱却 全トヨタ労連、賃金総額を重視
電機連合がベアを要求するのは6年連続。1月下旬の中央委員会で正式に決める。要求額は2016年から同じで、30歳の開発・設計職の賃金をモデルにする。交渉力を強めるため、主要13社の労組が要求額・妥結額をともに一致させる「統一交渉」も続ける。
神保政史書記長は「(中小の労組への)波及効果、業界全体の底上げ、賃金相場の形成といったメリットがある」と説明した。
昨年の春闘では、賃上げ相場に…