鹿児島県奄美市で2015年、市立中1年の男子生徒(当時13)が自殺した問題で、市教育委員会が原因を「担任教諭の指導」と認めたことがわかった。「不明」としていた文部科学省への報告も近く修正する。市が設けた第三者委員会が昨年12月、担任の不適切な指導が原因とする報告書を提出していた。
第三者委の報告書によると、男子生徒は15年11月4日、同級生に嫌がらせをしたとして、他の生徒4人と共に担任から叱責(しっせき)された。その後、担任の家庭訪問を受けた後に自殺した。嫌がらせとされた内容は、男子生徒の方言が悪口のように誤解されただけだったという。このため報告書は、丁寧に事実確認しなかった担任の対応を不適切とし、「追い詰めたことは明らか」と結論づけていた。
自殺原因について市教委は、学校長を集めた会議で「いじめた側が責任を感じて自殺」と説明。文部科学省には県を通じて「原因は不明」と報告していた。
市教委の元野弘・学校教育課長は「第三者委の指摘を真摯(しんし)に受け止めた」とし、年度内に再発防止策の検証チームを発足させるとしている。(外尾誠)