錨を上げろ④
スマートフォンを使った配車サービスといえば米ウーバーが有名だが、東南アジアでは様子が違う。
楽天辞め、インドネシアで起業「本能的にだめと思った」
勝ち筋見えた東南アジア 若者が出る「開国2・0」とは
勝負の10分 タイで起業「お祭り状態」日本からも続々
タイではウーバーの車両を見かけない代わりに、緑色のステッカーを貼った車両が目立つ。シンガポールに本社を置き、東南アジア各国に配車サービスを展開する「グラブ」のマークだ。スマホのアプリに行き先を入れると近くの車両が画面上に表示され、あとは車両を選ぶだけ。運賃も明朗会計だ。
インドネシアでは、マークは違うが、同じ緑色のヘルメットやパーカを着たバイクも目立つ。グラブと張り合うように走るのは、インドネシア資本の配車大手「ゴジェック」のバイクや車である。
未成熟な市場で急成長を狙うスタートアップ企業の世界では、成功して企業価値が10億ドル(約1080億円)を超えた企業は「ユニコーン」と呼ばれる。伝説の一角獣になぞらえるほど珍しいという意味合いだが、グラブもゴジェックも東南アジアではまだ数えるほどしかないユニコーンの仲間入りを果たしている。
投資マネーも続々と東南アジアに吸い寄せられている。スタートアップへの投資額を日本と東南アジア全体で比べると、2013年に東南アジアが日本を抜き、17年には東南アジアが78億ドル、日本は11億ドルと大きく水をあけられた。
東南アジアで起業するビジネス…