世界の政財界の指導者らが集まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)最終日の25日、スウェーデンから参加した16歳の環境活動家グレタ・トゥンベルクさんが、地球温暖化を抑えるための行動を大人に迫り、その力強い言葉が注目を集めた。動画が公開され、「社会のほとんど全てを変えなくてはならない」とのメッセージが広がっている。
4日間の日程で開かれたダボス会議では、各国の首脳や大企業トップが顔をそろえ、ビジネスの最先端の話題や環境問題など幅広く議論した。
ストックホルム近郊セーデルテリエの高校に通うトゥンベルクさんは、地球温暖化の危機を訴える学校ストライキなどで有名になり、ダボスに招かれた。
環境破壊をテーマとした会合で演説したトゥンベルクさんは、「ダボスのような場所で、人々は成功を語りたがる。でも、彼らの経済的な成功は、考えられないほどの代償を伴った」と痛烈に批判した。
そのうえで、現状では地球温暖化への取り組みは失敗していると指摘。「白黒つけられる問題などないと言われるが、それはウソだ」と述べ、産業革命以降の気温上昇を1・5度未満に抑えるといった目標達成への行動は「やるか、やらないか」の選択だと迫った。(ダボス〈スイス東部〉=吉武祐)