関西電力は、電柱を活用して車の安全運転を支援する実証実験を、パナソニックやトヨタ自動車グループなどと大津市で始める。死角となる道路で歩行者が近づくと注意を促すしくみで、30~31日に技術の有効性を確認する。関電はモビリティー(移動)分野にも力を入れる考えだ。
29日に報道陣向けの現地説明会があった。実験場所は信号機のないY字路交差点近くの市道で、周辺にある電柱の上部にパナソニック製のセンサーをつけた。交差点に近づく歩行者や車を検出して衝突のおそれがあると、車内の端末に「歩行者注意」の警告を示す。
将来的に「自動運転」ができるようになった場合は、速度を落としたり、ドライバーによる運転に切り替えたりしてサポートできるという。こうした機能に対応していない車もあるため、端末を持つ歩行者が交差点に近づくと、電柱の電光掲示板に「注意」と表示する実験も併せて進める。
実験を監修するトヨタIT開発センター(東京)の土居義晴さんは「車のセンサーやカメラではとらえられない情報を把握でき、大容量のデータのやりとりもできる電柱は最適なインフラだ」と強調した。事業化は未定だが、今回の成果をもとに研究を重ねていく。
関電はモビリティー関連の技術…