2月1日から、東京と神奈川で私立中学入試が始まり、首都圏の中学受験がピークを迎える。この数年は英語を受験科目にする中学校が増えており、首都圏模試センターによると、今年は首都圏の国公私立中約300校のうち125校が、選択式などを含め、何らかの形で英語入試を実施する。2014年度入試の15校と比べ、約8倍の学校数で、「英語1教科」の入試も広がっている。
私立中学受験、再び増加 大学入試改革だけではない理由
桐朋女子中学校(東京都調布市)は今年から、英語1教科の入試を始めた。リスニング試験に加え、英作文をし、解答に至った過程も英語で説明してもらう。英検3級程度の力が必要といい、入試事務局長の今関光枝さんは「10年後、20年後を見据えての導入」と話す。
英語入試は元々、帰国生を想定して設けていたケースが多い。しかし、2020年度からは小学校で正式な教科となることもあり、グローバル化を意識して導入する学校が増えているという。レベルも様々で、英検準1級、2級程度のレベルを求める学校もある。
同センターの北一成・教務情報部長は、大学入学共通テストで英語の「読む・聞く・話す・書く」という4技能を測るため、民間試験が導入されている影響があるとみる。「保護者が大学入試改革を意識し、中学受験の勉強をしながら、英会話教室に通う小学生も増えた」といい、「新学習指導要領の完全実施を前にノウハウをつかみ、英語入試での実績を作ろうという学校側の狙いもある」と分析する。(大賀有紀子)