京王電鉄の子会社・京王観光の支店がJRから委託された発券業務を悪用して団体旅行で不正乗車を繰り返していた問題で、JR各社は京王観光への発券業務の委託を全面的に停止することを決めた。JR関係者によると、28日に京王観光に伝え、2月5日から委託を停止する。JR側は被害調査が終わり次第、さらなる対応を検討するという。
JRが発券業務の委託を停止するのは異例。京王観光は今後、JRの乗車券や特急券を発券する際には、JRの窓口に行ったり、他の旅行会社に頼んだりする必要がある。
京王観光は、JRを使って団体旅行の切符を発券する際、実際よりも少ない人数分の団体乗車券を発券。同行する社員が保管し、改札口で乗車券を見せて入場させる手口で、浮いた差額分を利益に計上していた。新幹線や特急などの指定席を使う際には、無料で座席指定のみができる「指のみ券」を発券し、一般客が入ってこないように座席を確保。人数の差を指摘された場合に備えて、同行する社員が人数分の指定席回数券を持参し、指摘されなければ払い戻していたという。(贄川俊、細沢礼輝)