千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅の浴室で死亡し、父親の栗原勇一郎容疑者(41)が傷害容疑で逮捕された事件で、心愛さんが父親からの「いじめ」を訴えたアンケートの内容を学校が栗原容疑者に伝え、市教育委員会がコピーを渡していたことが31日、わかった。専門家は「虐待のリスクを高めた」と批判している。
心愛さんは、2017年9月に沖縄県糸満市から野田市立山崎小学校に転校。11月上旬、学校のいじめに関するアンケートに、父親から「たたかれた」などと書いた。学校の聞き取りにも父親から暴力があったと答えた。学校は市に報告。市の通報を受けた千葉県柏児童相談所は11月7日から一時保護を開始し、12月27日、親族宅からの登校などを条件に一時保護を解除した。
市や市教委、学校によると、冬休み明けの18年1月9日、心愛さんが登校しないため、同12日に学校と市教委指導課の担当者が栗原容疑者と妻(31)に面会し、登校について話し合った。栗原容疑者は学校の対応を批判し、「暴力はふるっていない」「訴訟を起こす」などと話したという。
学校側がアンケートの内容を伝えると、栗原容疑者は実物を見せてコピーを渡すよう要求。市教委は「本人の同意がないと見せられない」といったん拒否したが、15日に心愛さんの同意書を持って来た栗原容疑者にコピーを渡したという。18日、心愛さんは市内の別の小学校に転校した。
市教委はコピーを渡すことにつ…