トランプ米大統領は31日、公共事業などで米国製品を使うよう求める「バイ・アメリカン」関連法令の強化を指示する大統領令に署名した。連邦政府が資金補助する事業では、米国製品の鉄鋼やセメント、アルミニウムなどを使うことをより徹底するよう求める。
ナバロ大統領補佐官は電話会見し、「(トランプ政権下の)製造業の成長は、自らの手で働くブルーカラーの『トランプ・ピープル』に比類ない利益をもたらした」と強調。橋や上下水道、通信網やサイバーセキュリティー関連などの分野で、「実行できる限り最大の」米国製品を使うよう各省庁に求める方針を示した。
トランプ氏は2017年4月にも、「バイ・アメリカン」の免除規定をできるだけ使わないよう求め、米国製品を優遇する大統領令に署名。その後も、安全保障を理由にした鉄鋼やアルミニウムへの高関税措置を中国や日本などに発動し、関税を使った保護主義的な政策を強めてきた。
トランプ政権は鉄鋼業界のロビイストだったライトハイザー通商代表を擁するなど、鉄鋼産業とのつながりが深い。一連の米製品優遇策は、業界の保護やトランプ氏の支持基盤へのアピールという性格も濃い。(ワシントン=青山直篤)