シリコンバレーを生きる
米シリコンバレーの住宅地に、一風変わった建物がある。壁には大きく「KITCHENTOWN(キッチンタウン)」の文字。シリコンバレーといえばパソコンが並ぶ風景を想像しがちだが、ここに集まっているのは「食のスタートアップ」だ。
失敗伝えるシリコンバレーの兄貴 日米起業の懸け橋に
車上生活からの直談判でつかんだチャンス 「君に投資」
「シリコンバレーを生きる」過去の回はこちら
入居企業のリストに、初めて日本から入った会社の名があった。
「Ramen Hero(ラーメン・ヒーロー)」
ラーメンのネット販売で起業したのは長谷川浩之さん(29)。ここからカリフォルニア州各地に発送される。
売っているラーメンはみそ、しお、しょうゆ、豚骨味のほか、ベジタリアン向けなど9種類。1食11~14ドル(約1200~1500円)で、最低2食から注文できる。生の麺をゆで、スープを温め、トッピングを乗せるだけ。15分で本格的なラーメンが食べられるのが売りだ。
何でも1番になりたいと東大に入った長谷川さんが、なぜいまシリコンバレーでラーメンを売っているのか。ここにたどりつくまでには長い道のりがあった。
■何をすれば一番にな…