若手ダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクールで9日、決選が行われ、大阪府東大阪市出身の佐々木須弥奈(すみな)さん(18)=チューリヒ・ダンスアカデミーに留学中=が3位に入るなど日本から3人が入賞した。4位に脇塚優さん(17)=大阪市阿倍野区出身、ハンガリー国立バレエ学校に留学中=、8位に住山美桜さん(18)=東京都世田谷区出身、チューリヒ・ダンスアカデミーに留学中。優勝は米国のマッケンジー・ブラウンさんだった。日本から入賞者が出るのは2大会ぶり。
日本から4人が決選進出 ローザンヌ国際バレエコン
同コンクールは若手の育成を目的としており、提携する世界の名門バレエ学校で学ぶ権利と奨学金が入賞者に与えられる。
授賞式の後、3人はそれぞれ喜びを語った。
佐々木さんは「まさか3位に入ると思っていなかった。舞台を楽しんで、客席と一体になって踊れた。見ている方にストーリーの中に入ってもらえるようなダンサーになりたい」と充実した表情で語った。
脇塚さんは「気持ちよく踊れた。ここにいるだけで十分だったけれど、今は感無量。いろんな道が開けていったらよいと思う」と話した。ともにバレエに携わる両親と喜び合った。
住山さんは悩んだ末に大好きな学校を離れて高校1年の途中で留学。「このコンクールは本当にスタート地点。いろんなダンサーと出会って、本当に素晴らしいことを学んだ。もう一歩、成長できたらと思う」
佐々木さんと住山さんをともに教えるチューリヒ・ダンスアカデミーのロベルタ・マルティンスさんは佐々木さんについて「とても成長した。特にコンテンポラリーの演技が大きくなった。傾斜のあるステージにも対処したと思う。彼女が自信をつけて、私はとてもうれしい」と評価した。
住山さんについては「彼女はとても多才なダンサー。クラシックも現代も両方に強い。彼女が奨学金を得ることができて、本当によかった」と喜んでいた。
決選には21人が残り、さいたま市大宮区在住でアクリ・堀本バレエアカデミー所属の淵山隼平さん(16)も進んでいた。
9人で構成する審査員を務めた英国ロイヤルバレエ団元プリンシパルの吉田都さんは、今回参加した日本の若手ダンサーについて、体格に恵まれない面はあるが、「踊りたい、という気持ちがすごく出ている」と話し、評価していた。(ローザンヌ〈スイス西部〉=吉武祐)