政府は今春にも、エジプト東部のシナイ半島で、同国軍とイスラエル軍の活動を監視している多国籍監視軍(MFO)に陸上自衛隊員2人を派遣する方針を固めた。2015年に成立した安全保障関連法によって付与された、新たな海外活動の初適用となる。
政府関係者が明らかにした。派遣されるのは現地司令部で連絡調整を担う司令部要員の自衛官2人。安保法の成立で可能になった新任務「国際連携平和安全活動」が派遣の根拠となる。国連が統括する平和維持活動(PKO)でなくても、任務の内容がPKOに類する国際的な活動であれば自衛隊を派遣できる。
MFOへの派遣は、昨年から検討が始まった。シナイ半島のシャルムエルシェイクの現地司令部で連絡調整を担う司令部要員を派遣するよう、MFOから要請されたとして、政府は1月22日、派遣が可能か現地調査すると発表。治安情勢や任務の内容などを調査し、今月2、3日に薗浦健太郎首相補佐官が現地を視察した。この結果、派遣が可能と判断したとみられる。
MFOはイスラエルとエジプト国境地帯の平和維持が目的で、停戦の監視が主な任務。