政府は2日午前、エジプト東部のシナイ半島で同国軍とイスラエル軍の停戦監視活動をする多国籍監視軍(MFO)の司令部に、4月19日から11月30日まで、自衛官2人を派遣する実施計画を閣議決定した。2016年に施行された安全保障関連法で可能になった「国際連携平和安全活動」の初めての事例になる。
計画によると、シナイ半島南部にあるMFO司令部に自衛官2人を派遣し、エジプト、イスラエル、MFOとの連絡調整業務に当たらせる。拳銃と小銃も携行する。また、司令部に派遣する自衛官2人とは別に、支援要員1人を在エジプト日本大使館に派遣する。
国際連携平和安全活動は国連以外の国際機関が行う活動でも、平和維持活動(PKO)に類する任務であれば自衛隊を派遣できる。政府は司令部があるシナイ半島南部は「おおむね平穏」と評価しており、紛争当事者間の停戦合意などを定めた「PKO参加5原則」も満たすと判断した。
岩屋毅防衛相は2日の閣議後会見で、「わが国の平和と繁栄の土台である中東の平和と安定への貢献を目に見える形で示すことに加え、自衛官の人材育成面でも大きな意義がある」と述べた。