南米ベネズエラのサーブ検事総長は14日、違法に権力を行使した疑いで国営石油会社役員らを捜査すると発表した。検事総長はマドゥロ政権派で、役員らは暫定大統領を宣言した反マドゥロ政権派のグアイド国会議長から任命されている。捜査には、米国などの支持を受けるグアイド氏の動きを封じようとする政権側の狙いがあるとみられる。
1月23日に暫定大統領を宣言し、米国などから承認されたグアイド氏は、政権が任命した大使とは異なる人物を各国の「大使」として任命。2月13日には、国営石油会社や、その在米子会社の役員も任命した。
サーブ氏は「唯一の合法的な役員は、執行権のある政府によって任命された者だ」と発言。グアイド氏や国会による任命は「サーカスだ」と批判したうえで、役員に加えて「大使」も捜査する考えを示した。
米国はマドゥロ政権に対して、ベネズエラ国営石油会社が米国内に持つ資産を凍結するなどの経済制裁を発動。同社を通じた原油の売り上げを主な外貨収入としてきた政権は、財政的に追い込まれている。(サンパウロ=岡田玄)