法務省は15日、全国の警察が昨年1年間に通信傍受法に基づいて傍受した携帯電話の通話は計1万359回だったと発表した。傍受した通話のうち、犯罪に関連するものは約1割の1318回だったという。12の事件で計82人の逮捕につながったという。
2000年8月に施行された通信傍受法は当初、対象犯罪を薬物、銃器、組織的殺人、集団密航の4類型に限定していた。16年12月施行の改正法で窃盗、詐欺、恐喝、児童ポルノの提供・製造など9類型が追加された。
昨年1年間の12事件のうち、8事件が改正法で新たに対象犯罪になった犯罪だった。捜査幹部によると、法改正で想定していたのは組織的な窃盗団や特殊詐欺の犯行グループへの実施という。法務省は傍受を実施した都道府県警や事件の内容は明らかにしていない。