ガラス工房「粋工房」による朱色のグラスづくりに一役かった河辺健治さん(71)。福岡県宗像市の離島、大島でただ一人の「塩職人」だ。どんな風につくっているのか。島に渡った。
世界遺産の島の素材いかした朱・翡翠 宗像の工房
大島へはフェリーで片道約25分。河辺さんはターミナルで出迎えてくれた。ちなみに2005年3月に宗像市に編入合併するまで大島は村で、河辺さんは最後の村長だった。
塩づくりのきっかけは日常の中にあった。食堂を経営しており、薪ストーブの上に海水を入れた鍋をかけていた。「できた塩を食べてみるとおいしかった。これはなかなかいいぞ、と思いまして」。合併の年のことだった。
当初は自宅用に細々とつくって…