地下鉄名城線「名古屋大学駅」が2003年12月に開業するまで、本山駅が名古屋大学の最寄り駅だった。名大生はかつて、本山駅から「四谷通」を歩いて大学に通っていた。だが、今は本山駅周辺や四谷通に学生の姿は少なくなったという。本当なのか。名大生らに聞いてみた。(竹井周平)
名古屋駅、変わりゆく街
名大生、本山使ってる?
不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」を運営するリクルート住まいカンパニー(東京)の「住みたい街ランキング 名古屋市版」で、本山は2015年が3位、18年は4位にランクインした。「生活に必要な店舗があり、一人暮らしには最高」「名古屋へのアクセスが良い」などの理由から30~40代からの支持が高いという。
昨年3月、記者が名古屋赴任に先立って、不動産業者に物件の候補の一つとして勧められたのは本山周辺だった。
しかし、昨年秋、ある取材先に「名古屋大学駅ができてから、名大生が本山駅で乗り降りすることはあまりなくなった」と聞かされた。
駅前を見渡すと、スーパーマーケットや学習塾、チェーンの飲食店や居酒屋、カラオケ、カフェがそろっている。本山駅から名大までを結ぶ四谷通にも、約1キロの坂道の両側におしゃれな外観の店舗が並ぶ。
かつてはタレントショップもあり、1990年代までは「名古屋の原宿」とも呼ばれた。今もその名残はある。若者にとっては良い街ではないか。そう思い、「名大生、本山駅周辺を使わなくなった説」を検証するため、聞き込みをしてみた。
期間は今月2~9日。場所は名大東山キャンパス付近で、学部生と大学院生50人を対象とした。質問内容は①本山駅や駅周辺を利用するか②四谷通を歩くか、などだ。
①については、「ある」が28人▽「たまにある」が18人▽「あまりない」が2人▽「ない」が2人。頻度は別にして、9割の名大生・院生が利用していた。複数回答可で「利用目的」を尋ねると、「飲食店」34人▽「通学などで乗り換え」30人▽「バイト先」8人▽「その他」15人。地下鉄での通過や乗り換え以上に、飲食店が目的の学生らが多かった。取材先の言葉とは裏腹に、意外と使われている。
農学部3年の八木本亜実さん(21)は「部活の飲み会は本山が多い。家の近くにドラッグストアがないので、本山駅前の店をよく使う」。大学院1年の倉内航さん(23)も「大学の近くには、あまり手頃な飲食店がない。同じような理由で本山に行く友人は周りにも多い」と話す。
■今も学生に…