青森市の浅虫水族館にいるペンギンたちの名前が、一風変わっている。「黒(くろ)」や「赤白(あかしろ)」、「黄黄黄(ききき)」。いったいどうして、こんな名前をつけたのか。
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「黄黄(きき)はサンマを持って行くと私の足をかじってきます。黒黄黄(くろきき)はガラス越しに手をかざすと追いかけてきますよ」。飼育担当の加藤愛さん(23)は楽しそうに話す。
加藤さんによると、1984年に水族館でペンギンを飼育し始めた時から、色を組み合わせた名前をつけているという。「黒黄黄」の右の翼の付け根には小さな黒い輪(リング)が1個、左翼には黄色いリングが2個ついている。どうやらこのリングが名前に関係しているようだ。
浅虫水族館のペンギンたちの命名のしかたは、SNS上でも「雑だ」「変わっている」と話題。加藤さんは「ペンギンを見分けるために、わかりやすくしている」と話す。
ペンギンは顔にある斑点などの大きさや位置が区別しにくく、他の動物に比べて個体の見分けがつきにくいという。サンマなどのエサを持って行くと一斉に集まってくるため、どのペンギンがあまり食べられていないのか、把握するのが難しい。
そこで、一羽一羽を見分けるために色の違うリングを翼につけ、その色をそのまま名前にしているという。リングで個体を見分ける例はほかの水族館でもあるというが、「色をそのまま名前にしてお客さんにも伝えているところは珍しい」と加藤さん。
ひなが生まれたときには、母親の名前と同じリングを左の翼につけるのがルール。たとえば「黄黄黄」の場合は、母が「黄黄」なので左に黄色のリングを二つつけ、右にも黄のリングをつけたので、名前が黄黄黄に決まった。
つまり左の翼のリングを見れば、どのペンギンがきょうだいなのかも一目瞭然。加藤さんは「お客さんには一羽一羽に目を向けてもらえると思う」。
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