国土交通省は、年度末の3月末に転勤などで引っ越しが集中し希望通りの日程で転居ができない「引っ越し難民」が出る対策として、異動する職員に繁忙期を避けて転居するよう呼びかける。物流業界を所管する官庁として自ら対策をとる。
同省の規定では、異動者の赴任は家族帯同の場合「発令日の翌日から11日以内」、単身の場合「8日以内」とされている。4月1日付異動では同10日ごろの赴任も可能だ。石井啓一国交相は26日の閣議後会見で、「4月第2週目以降の引っ越しを検討するよう職員に周知した。支障のない範囲で協力をお願いする」と話した。
国交省人事課によると、昨年4月の引っ越しを伴った地方から本省への異動者は938人。本省から地方への異動や地方間の異動者を含めるとこれ以上の規模の職員が対象になる。
トラック運転手をはじめ人手不足などの影響で、昨春から希望通りの転居ができない人が急増。国交省は今年1月から、全日本トラック協会とともに転居時期の分散化を企業などに働きかけてきた。料金の過大請求問題で引っ越しの受注停止をしているヤマトホールディングス子会社の事業再開は今年4月以降となり、今春は引っ越し難民が一層増える見通しとなっている。